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マーケット雑感

2008/03/23(Sun)11:47

アメリカ市場のCDS(クレジットデフォルトスワップ)のスプレッドが急拡大しているようです。ちょっと詳細は忘れましたが、ドイツ市場のスプレッドと逆転したというニュースを先日見た記憶があります。これは非常に小さなニュースでしたが、個人的には大きな驚きをもって眺めていました。

中東を中心としたオイルマネーや政府系のファンド資金はドルから逃避し、ユーロへ向かっています。EUを設立した時の目標の一つであった、機軸通貨の構築という点では、成功という範疇を超えてドル以上に強い通貨が現時点では出来上がったと見做していいのだろうと思います。

しかし、このサブプライムについては私が運用担当をしていた2年以上も前から問題視されていたはずですが、ここまで酷い後遺症を残すことになるとは、投資家のRisk Taking能力が如何にセンチメントに左右されるのかということを物語っています。グリーンスパンは誰よりもデータマイニングが得意でしたし、バーナンキは90年代の日本の金融崩壊についての論文を執筆していたので住宅バブルのリスクの大きさを知らないことはなかったと思いますが、度重なるFEDの利上げにも関わらず住宅価格の上昇に歯止めが掛からなかったことから、金融政策でこのサブプライム問題を回避しようとすることには今更ながら無理があったのかもしれません。

CDOは、MBSを集めてプールし、幾つかのトランシェに分けて再組成して債券化したものです。そのうちリスクの低いものにはAAAのレーティングがつきます。いわば80年代に生まれた金融技術を用いて作った仕組み債なわけですが、そのAAAの債券でも買い手が付かないという異常事態が昨年夏以降に起きていたわけです。結局は、金融技術によって一般の投資家に本来含まれているリスクが見えにくくなったことから、許容できるリスク以上のリスクを抱えることになり、ダムに開いた小さな穴でダム全体が一気に崩壊するように、市場が大きく今までとは逆の方向に振れているのが現状です。

知らないものには手を出さない、卵は1つの籠に盛らない、という投資家の鉄則は、通常のプロなら誰でも知っているはずです。しかしそれが出来ないところが人間の弱さであり、その弱さを克服するには、組織の中で明確なルールを策定し、そのルールを運用する側とチェックする側とを分離する必要がありますが、きちんと守られていたのでしょうか?CDOの収益性の高さから、経営層からマネージャーまで目が曇ってしまったのでしょうか?

CDOの価格算定技術でトップレベルだったベアスターンズは、一時期120ドルも株価がありましたが、経営状態の悪化から、ニューヨーク連銀のサポートを受けたJPモルガンにより2ドルで売却されることになりました。次の支援先はリーマンブラザーズとも言われています。

しかし、日本は政局優先で日銀総裁もまだ決定していませんが、そんなことやってる場合ではありませんね。ファイナンスの授業で、日本の金融崩壊やこの日銀相殺の問題を指摘されるたびに、他人事ながらとても恥ずかしいです。







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