今日の21時からNHKで放映されていた沸騰都市シリーズの最終回、「Tokyoモンスター」は見ごたえのある番組でした。クオリティーの高いドキュメンタリーはさすがNHKならではで、こういう番組を見ると、数千円の受信料など安い!
しかし、改めて考えると、東京という都市はとても美しい。以前ある友人が東京の都市計画の不備を挙げ、不揃いなビル群のデザインが醜いと言っていましたが、自分にとっては、逆にその不揃いさが有機的な組織体として、カオスのような雰囲気を醸し出していて、美しい。
思えば、自分が最初に東京に来たのは9歳のときでした。初めて見て驚いた高層ビルは赤坂見附のプリンスホテルとニューオータニのビルで、また今では高層ビ ルに埋もれてしまった40階建ての霞ヶ関ビルも輝いて見えました。日没後に夕闇の中に浮かぶ東京タワーを見て、東京に来たことを実感したものです。
しかし今や、30階建て以上の高層ビルは300棟近くに上り、東京の景色は一変してしまいました。また池袋から渋谷を経由して品川へ抜ける地下の高速道路が近々完成し、東京タワーは3年後に電波塔としての役割 を終え、墨田区に新東京タワーが竣工する予定になっています。空から地中まで、東京中心部は改造しつくされてしまいました。
ただ、常に変化し続ける都市だからこそ、東京人としてのアイデンテティを保持するための、人々の心の拠り所を確保しておくことが必要なのではないのかな。それはやっぱり、この番組でも取り上げられていたように、また映画三丁目の夕日に見られるように、東京タワーがその存在になるのではないかと思います。
番組によあると、森ビルは東京タワーのお膝元である虎ノ門に新たな高層ビルを建設するようです。
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