昨年の春休みにフロリダのNASAの基地を見学しました。中でも、チャレンジャーとコロンビアの事故の記念碑の前でアメリカ人が沈痛な顔をして佇んでいたのが思い出されます。また危険を冒して紛争地域へ赴いたり、事故の可能性がありながら宇宙へ飛び立ったりと、世界の平和や科学の進歩といった大きな目的のために自らの命を賭けることのできる国民性に感動したものです。その目的が正しいかどうかは別にしてね。
さて、危機管理の最後の授業はコロンビアの事故のケースでした。ケースといっても読み物ではなくCD-ROMで、実際のNASAの内部資料やデータを基にした動画中心のマルチメディアケースです。しかも面白いことに、当時のNASAの責任者6人から1人を選択して、シャトルの打ち上げから9日目までを疑似体験するのですが、得られる情報が選択した人間によって違ってきます。
事故の原因は、直接的には打ち上げ時に、タンクから外れた断熱材がシャトルの左翼に衝突して穴が開いたことが原因ですが、間接的には人為的なミスです。詳細は省きますが、官僚的なNASAの組織の中で、部門間や上下間で情報や意思が伝達せず、過去の成功体験に捉われすぎた結果、人命優先の意識が軽視されたということなのでしょう。
で、クラスを6チームに分けてディスカッションすると、事故の責任をお互いに擦り付け合い、な感じ・・・。まさにBureaucratic、官僚的な組織だなあと思う一方で、良く出来たケースだと関心しきりでした。
電力会社も官僚的な組織と言われていますし、確かに縦割り社会です。原子力を抱えている以上、ほんとひとごとじゃないよなあ、と思った次第です。
寄寓にも、この日、アトランティスが無事帰還したニュースが飛び込んできました。
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