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2025/05/07(Wed)15:08
MBAから会社に復帰したサラリーマンのリハビリブログ
2025/05/07(Wed)15:08
2007/11/02(Fri)04:50
Crude Oil Dec 07 |
94.01 |
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Crude Oil Jan 08 |
92.76 |
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Crude Oil Feb 08 |
91.69 |
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Crude Oil Mar 08 |
90.86 |
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Crude Oil Apr 08 |
89.05 |
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Crude Oil May 08 |
89.08 |
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Crude Oil Jun 08 |
88.30 |
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Crude Oil Jul 08 |
87.67 |
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Crude Oil Aug 08 |
87.53 |
0.00 (0.00%) |
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Crude Oil Sep 08 |
86.75 |
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Crude Oil Oct 08 |
86.36 |
0.00 (0.00%) |
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Crude Oil Nov 08 |
85.84 |
0.00 (0.00%) |
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Crude Oil Dec 08 |
84.96 |
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1年後の価格は現時点よりも10ドルも低く、激しいバックワーデーションになっていることがわかります。
これはなぜなのでしょうか。例えばコモディティのなかでも、金などそれ自体から付加価値が生まれない商品の先物価格は以下のアービトラージの式を使って求められます。ちなみにF0(T)はTに満期を迎えるゼロ時点での先物価格を表しており、Stはt時点でのスポット価格、iは金利、SはStorageコストです。
つまり、半分より上の表(Physical Storage)は、現時点で商品の現物を購入し、将来にそれを販売する際のCFの流れで、下半分の表(Synthetic Storage)は、将来にその商品現物を購入するために先物取引を使って価格を固定し、現時点ではそれに必要なCFを用意するという取引を表しています。
単純に言えば、両方の取引のCF Todayは等価ですので、CF at Day T(満期)も等価になる必要があります。もし差がある場合はアービトラージの対象となります。CF at Day Tの式を用いて計算すると、F0(T)=S0+iS0+S、つまり先物価格は、ゼロ時点でのスポット価格に、金利分をプラスして、更にStorageコストを追加したものだということがわかります。
感覚的に捉えると、現時点で現物を購入する費用に、その購入代金を調達した資金分の金利を乗せて、さらに現物を保有することにかかるStorage費用を上乗せしたものが、先物価格であるということです。金利もStorage費用もプラスですので、一般的に商品先物の価格は満期が長くなるほど右肩上がりになると考えられます。
しかし、原油など、利用次第によっては付加価値を生む商品は、この式に機会損失の概念を加えてやる必要があります。上記の式、F0(T)=S0+iS0+Sは、商品を保有する側と、将来購入する側のコストが同じになるように調整したものですが、例えば先々の供給不足が懸念される場合は、現物を保有する側には機会利益が生じて、商品を購入する側には機会損失が生じると考えられます。言い換えれば、供給不足になるような事態は、現物を保有する側にはメリットがあるということですね。この機会利益をxと置くならば、上記の式はF0(T)=S0+iS0+S-xに変換されることになります。
つまり、現状は将来のShort supplyへの期待(不安)が大きく、x>iS0+Sになっているため、先物価格がバックワーデーションになっているということです。
なぜBackwardationやContangoが起きるのかというのははっきりと理解していませんでしたが、教授のIntuitiveな説明には目から鱗でした。
No.6|マーケット|Comment(0)|Trackback()
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