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汚染米問題に見られる危機管理能力

2008/09/20(Sat)14:01

焼酎の醸造元のオーナから聞いた話。

例えば宝山ブランドで知られる西酒造などが購入した汚染米の値段と、彼が原料として用いている米の値段には10倍もの開きがあるらしい。彼は熊本の奥地に山林を購入、原料となる上質な水を自ら確保するなどして、質の高い焼酎を作る努力をしていて、芋焼酎好きの自分でもめちゃくちゃ旨いと思うぐらいの米焼酎なのだが、それでも宝山ブランドの焼酎とさほど値段に開きがあるわけではない。西酒造の若手経営者は「美味しんぼ」でも取り上げられるなど焼酎革命の旗手として持てはやされた時期もありましたが、経済合理性というか採算を優先したことがこのような結果に繋がったのだといえます。

全体的に見苦しいのは、そのような安い原材料を使うことには、何らかのリスクがあることは明らかなのに、問題が顕在化した今、責任を転嫁して被害者面している経営者ばかりなことです。

とはいえ、危機管理の面からいえば、もっとも残念なのは政府の対応。今回の事件では、対応を二転三転させた後、流通先の業者リストを公表し、消費者利益を優先する姿勢を打ち出したわけですが、問題のない業者への風評被害を抑制するという面でも正しい対応だったと思います。が、問題なのは、そのリストに掲載された業者の今後の経営への配慮に欠けていたこと。

取り扱い商品の全てに汚染米が混入しているわけではないのに、公表されたリストを見て、消費者はその業者からの購入を控えるという消費行動にでるはずで、更に銀行などの債権者も経営が悪化するであろう業者に資金を貸し付けておくこともできなくなる。その結果、売り上げは低下、借入金の返済は滞り、不渡りを起こして倒産することになるのは想像に難くない。社長が自殺するのもある意味予想された結果だと言える。

こういう状況になれば、農林水産省や大臣への批判が強まることも予想されたことで、業者に対するセーフティーネットを公表前に準備できなかった政府には、やはり想像力が欠如しており、危機管理能力が足りないという印象を受けざるを得ない。


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No.75|学校生活Comment(0)Trackback()

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